Design
半径数百メートルのデザインへ

このサイトを作るにあたり、カメラロールを見返して自分の作品の棚卸しをしていた。基本的には個人で依頼されたものを整理し、掲載している。
そこで気づいたのは、私が普段からお世話になった場所からの制作が圧倒的に多いということ。
もちろん昔は、高校卒業したての新米デザイナーなので、初めましての方からの依頼が来ることはない。そもそも8時間働くことで精一杯な新人の私は、仕事以外でデザインをするキャパシティもない。体力はあるが精神面での余裕がないのが現実だった。
しかし、私は身近な場所や人たちへ何か力になりたいという気持ちが強い。それを象徴する事例がコロナ禍のライブハウスでのデザイン制作ある。
コロナ禍で、ライブハウスのイベントがどんどん延期、中止された。そこで、高校時代からよく通い詰めていた地元のライブハウスに何かできないかとアクションを起こしたところ、ライブハウス支援グッズのデザインをさせていただいた。
このデザイン制作はもう、いつの間にか6年前となる。しかし数ヶ月前、インスタにて『ボロボロになるまでこのTシャツを着てたよ』という友達からのメッセージがきて、胸が熱くなった。
都市で活躍すること。大企業のデザイン幹部になること。デザイン賞を受賞すること。どれも輝かしいデザイン業界の目標である。でも私は、半径数百メートルの人たちから愛されるデザイン制作を続けたい。
それは町のパン屋さんや花屋さんのような、地域に根ざしたデザイナーがかなり近いロールモデルだろう。地域に拠点を置かなくても、『きゆかにデザインのことを相談してみたい』といった、私がどんな場所にいてもオンラインで気軽に聞ける存在を目指している。物理的な距離が数百メートル離れていても、心の距離はなるべく近い人でありたい。
デザインは民主的なものである。誰もが楽しく、デザインをしてほしい。
高校の文化祭のポスター。YouTubeのサムネイル。個人開発アプリのUI。『もっと良くしたい』というぼんやりとした『何か』に、論理的な提案をし、期待値を超えたビジュアルで攻め、ワクワクした感情にブーストをかけるのがプロのデザイナーだろう。
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